【TAROの日記】

2017/04/13(木) 08:55

善兵衛さん

「善兵衛さん」と父は呼んでいた。川上善兵衛。日本で最初にワイナリーを作ってしまった明治の企業家だ。

私の家は、その善兵衛さんが作った『岩の原ワイン』の近くにある。ワイナリーには子供の頃時々連れていってもらって、山の上の方でバーベキューみたいなことをやっていたと記憶する。今ではぶどう畑の上の方には行けなくなってしまったが、ワイナリー自体がバーベキューガーデンをやっていたこともある。

『善兵衛2014』が出た。主だった酒屋やネットでは売り切れていたが、ディスカウント酒屋に置いてあった。セラーには、5年前に発売された『善兵衛2009』もある。そろそろ飲み頃だが、後3年は置いておきたいところだ。

最近、日本のワイナリーがいい。しかし、日本で最初にワインを作り、あのマスカット・ベーリーAを産んだ『岩の原ワイン』の印象はあまり良くない。大衆向けワインの『深雪花』なんて作っているからダメなんだ・・と私は思っている。

おそらく、今もサントリーの資本が入っていると思う。ボルドーのワイナリーを復活させたり、他の日本のワイナリーで名作を作っているのだから、『岩の原ワイン』もなんとかして欲しいところだ。近くに素敵なワイナリーがあったら素敵だもんな。

そういうわけで、良い年しか作らない『善兵衛』には期待が大きい。私はあまり川上善兵衛のことを知らない。慶応大学在学中の時だったかそうでなかったかは忘れたが、奨められてワイナリーをはじめたという。奨めた奴も余程だが、その奨めに乗ったやつも余程である。でも、その気狂いな感じがとても素敵だ。

この土地はとても保守的なところだ。そして、口だけの奴が多い。もちろん、人の悪口も根拠なく流布する典型的な日本の地方だ。だから、川上善兵衛には親近感が強い。若い頃父は世話になったようで、善兵衛さんから教えられていたことを時々口にしていた。『岩の原ワイン』にその精神が継がれているかは知らないが、ぜんぜん違うところでまったく違うことをやっている私という小動物には、少し何かが伝えられているかもしれない・・。

「善兵衛さん」という言葉の響きが昔から好きだ。何者か知らなかった頃からなぜか特別だ。そして、明治は意外に近いのだと思う。

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